ヒートマップで改善点が可視化され、CTR3倍という例も。ポップアップの実装を10営業日から即日対応へ大幅に短縮。今後はAIO対策にも活用の幅を広げる

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創業25周年を迎え、パーパスに「お客さまの『あったらいいな』を超えて、日常の未来を生みだし続ける。」を掲げている『株式会社セブン銀行』。同社は全国に設置されたATMを基盤に様々な金融サービスを提供し、人々の生活に欠かせないインフラとしての役割を担っている。同社のサイトでは、オウンドメディアやサービスページを通じて、お客さまにとって有益な情報が発信されている。しかし、サイトの運営を続ける中、利用していた無料のウェブ解析ツールが刷新されたことにより、専門的な知識がないと分析が難しい環境になってしまった。

この状況を改善するために導入したのが、誰でも直感的にユーザー行動を分析できるUser Insightだ。ヒートマップによるコンテンツの配置改善や、ポップアップ機能を活用したユーザー体験の向上、SEO・AIO対策(AI Optimization:AI検索最適化)により、同社は閲覧範囲の拡大や平均滞在時間の増加に加え、CTR向上といった成果が出る例も。ここでは、セブン銀行でデータ分析や施策立案を担うブランドコミュニケーション部 副調査役の壁巣翔子氏に、User Insightの具体的な活用法や、ゼロクリック検索時代を見据えた今後の展望などについて伺っていく。

株式会社セブン銀行 ブランドコミュニケーション部 副調査役 壁巣翔子 氏
株式会社セブン銀行
  • ブランドコミュニケーション部 副調査役
    壁巣翔子 氏

課題

無料の数値分析ツールの刷新で分析が難化し、学習コストが増大。ユーザー行動を可視化してサイト分析するために、誰でも直感的に操作できるツールが必要だった。

多様なサービスを展開するセブン銀行において、オウンドメディア運営やサービスページの改善は顧客満足度に直結する業務である。同社にてUser Insightが導入されたのは壁巣氏がブランドコミュニケーション部に所属する前のことだが、同部署は、約3年前に新設されたばかりであり、まさに本格的にサイトの分析に力を入れていこうとしていたところだった。しかし、データに基づいたサイト改善を進めようとした際、それまで利用していた無料のウェブ解析ツールが刷新されたのだ。「セッションの定義から異なってしまいましたし、UI面でも『この指標はどこで確認できるのか』と、イチから勉強し直さなければならない状況だったようです」と壁巣氏は語る。

日々の通常業務を抱えながら、複雑化した分析ツールの使い方をイチから学習し直すことは、現場にとって大きな負担となるものだ。学習に時間を取られれば、本来の目的である分析や施策の立案に割く時間が失われてしまう。

そこで同社が求めたのは、マニュアルを熟読しなくても直感的に操作でき、誰もが簡単にユーザー行動を可視化できるツールだった。その条件を満たしていたのがUser Insightだったという。「これから数値分析に注力していこうと考えていた中で、誰にとっても分かりやすいUIで分析ができるという点からUser Insightの導入に繋がったと聞いています。特に、ヒートマップはボタン一つ押すだけで3パターンも表示されるので、データ出しに時間を取られず、比較もスムーズに行える点がよいです。」と壁巣氏。

導入後、User Insightの使いやすさは社内でも高く評価され、現在では壁巣氏の所属部署にとどまらず、ローン口座やATMサービスなど、他の金融サービスを担当する部門にもアカウントが配布されている。サイト分析の専門的なスキルを持たない担当者であっても、自発的にヒートマップを確認する文化が浸透し始めているようだ。「操作で分からないことがあっても、メールで質問するとすぐに回答してくれるので本当に助かっています。最近では、SNSのキャンペーンと連動したポップアップの使い方について教えてもらいました」と壁巣氏は語る。

活用方法

ヒートマップでページの課題を把握し、ポップアップの設置でユーザーニーズを満たす導線を構築。User InsightはSEO対策もでき、新たなキーワードの追加で自然検索での流入が増加した。

User Insightの導入により、セブン銀行のデータ活用は大きく進んだ。その中心となるのが、ユーザーのサイト内での動きを視覚的に把握できるヒートマップ機能の活用である。壁巣氏は、同社社長とゲーム業界企画担当者との対談記事の分析において、ヒートマップから明確な課題を発見した。その課題とは、目次を見る前に40%ものユーザーが離脱していることだった。

せっかくの対談記事であるにもかかわらず、本文に入る前に半数近くの読者がページから離脱しており、壁巣氏はこのデータから「タイトルの内容が、読者に響いていないのではないか」という仮説を立て、「常識にとらわれない未知への挑戦」から「セブン銀行ATMはゲームから着想を得ていた!?」と読者の興味をそそるものに変えた。

また、壁巣氏は「記事を長く読んでもらうためには、冒頭で全体の内容やベネフィットを示さないといけません。当初は目次の前に対談者のプロフィールを見せていたのですが、タイトルに惹かれて流入した読者に向けて、プロフィールよりも前に目次を入れました。これにより、早い段階で記事の内容を伝えて興味を強めることで、長く滞在してくれるのではと考えました」と語る。その結果、目次前で40%以上の読者が離脱していたところが、90%のユーザーの閲覧範囲に入るようになり、ページ全体のスクロール率の改善に繋がった。

※ヒートマップでページの課題が可視化され、改善後の効果も一目で把握できる

さらに、User Insightの「ポップアップ機能」も、同社の施策で活用されている。毎月の数値検証を行う中で、壁巣氏は口座関連の広告に接触したユーザーが、オウンドメディアで発信している口座利用者インタビューの記事に自然検索で後日流入していることを発見した。さらに、同記事は90%のユーザーに閲覧され、熟読率も高いことから、ユーザーの関心が強いことが分かった。この気付きをもとに、壁巣氏は「口座開設キャンペーンページ」の離脱率が高い位置に口座利用者インタビューへ促すポップアップを設置した。「早い段階でポップアップを表示してしまうと、ユーザー体験を悪化させてしまいかねません。そこで、ヒートマップで50%ほどが離脱し、かつキャンペーンに興味を持っていただけたタイミングで利用者インタビュー記事へ誘導するポップアップを表示しました」と壁巣氏は語る。

ユーザーの心理を的確に突いたこの施策は、ユーザー体験を損なうことなく、必要としている情報を最適なタイミングで提供するという、ユーザーファーストを体現するものだった。

また、セブン銀行ではUser InsightをSEO施策にも活用している。セブン銀行では「スマホATM」という、カードを使わずにスマホでATMから入出金できるサービスを展開している。しかし、「スマホATM」というキーワードで検索するユーザーはすでにサービスを知っているため、認知の拡大にはつながりにくい。壁巣氏は「新規の自然検索流入を獲得したいと考えてUser Insightで分析したところ、『財布忘れた スマホしかない』という検索ボリュームが多いことが分かりました。そこで、そのキーワードを記事に反映したところ、流入数が大きく増加しました」と効果を実感している。

このようなスピーディかつ的確な施策は、User Insightで課題やニーズが可視化されたからこそ実現できたものだと言えるだろう。

成果

ヒートマップで改善ポイントを明らかにし、CTRが3倍になるという例も。ポップアップの実装も10営業日から即日対応へ大幅に短縮することができた。ゼロクリック検索時代を見据えたAIO対策に注力し、セブン銀行の認知拡大を目指す。

ヒートマップやポップアップ、SEO対策など、セブン銀行は様々な場面でUser Insightを活用し、サイト改善を進めている。本記事内で紹介した対談記事では、目次の手前で40%以上が離脱していた状況から改善を施し、90%のユーザーの閲覧範囲に入るようになり、熟読度も向上した。さらに、同記事へ流入を図るX広告では記事内容が刺さる「ゲーム好き」に配信を絞ったことで、広告のCTRを3倍にすることに成功した。

また、ポップアップ機能がもたらしたスピード感の向上と工数削減も、大きな成果である。「ページのソースコードをいじらずに、管理画面上から簡単にポップアップを設置できる点が助かっています。以前は、制作担当者に依頼しており、最短でも10営業日はかかっていました。それがUser Insight導入後は、バナーができていればわずか10分以内で設定できるようになり、施策を試すスピードが格段に早まりました。User InsightではポップアップのABテストも簡単に実施できるので、今後はさらに活用を強めていきたいです」と壁巣氏は語ってくれた。

客観的なデータに基づいた提案が可能になったことで、社内コミュニケーションにも変化が生まれている。壁巣氏は「ヒートマップの離脱エリアなど、視覚的に分かるデータがあることで説得材料になり、他部署と施策を実施する際の合意形成がスムーズになりました」と感じている。

着実な成果を上げ続けるセブン銀行だが、壁巣氏はAI検索の普及に伴う「AIO対策」も見据えている。「今後は益々自然検索からの流入が減少し、ゼロクリック検索が増えていくのではないかと考えています。「サイトへの流入数を増やすということももちろんですが、『自社のブランドやサービスがいかにAI検索で引用・言及されるか』ということも、今後のブランド認知拡大において重要になると捉えています」と語る。

※LLMO(Large Language Model Optimization:大規模言語モデル最適化)ダッシュボードでは、AIモデルごとに、どのようなキーワードで自社が引用・言及されているかなどの状況が分かる

壁巣氏は、近年のWeb検索における大きな変化に対してもUser Insightを活用していく方針だ。「今期、会社としてはAIO対策が最も注力する領域になります。User InsightでAIにおける出現数の変化などを観測し、AIO対策を本格的に推進していきたいですね」と今後を見据えている。

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