ポップアップの活用でフォーム流入7倍、資料DL数4倍に増加!User Insightは活用のハードルが低く、社内でトライアンドエラーの意識が強まった

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「オフィス環境事業」「商環境事業」「物流システム事業」など、多岐にわたる事業を展開する『株式会社オカムラ』。1945年に磯子区岡村町で「岡村製作所」として創業した同社では、当時から「創造」「協力」「節約」「貯蓄」「奉仕」の5つを社是とし、今日まで受け継がれている。歴史あるオカムラは、1966年から生産・販売・流通まで一貫したシステムを構築するなど、常に新しいことに挑戦してきた。2023年5月に策定した「中期経営計画2025」では「デジタル技術活用の加速」を掲げており、その一環として生成AIの活用も進めている。

実際にオカムラでは、2013年からユーザーローカルのUser Insightを導入し、PVやUUなどの数値分析を中心に、ページがどのように読まれたか、といった直感的な分析をヒートマップを用いて実施していた。その後、コロナ禍を機にウェブ集客の重要性が急増。現在は、ヒートマップはもちろん、ポップアップ配信機能も駆使し、コンバージョン率の改善や業務効率化を実現している。ここでは、オカムラのデジタルプロモーショングループの3名に、データに基づいた意思決定がいかに組織文化を変え、具体的な成果に繋がったのかについて伺っていく。

株式会社オカムラ オフィス環境事業本部 事業戦略統括部 プロモーション部デジタルプロモーショングループ 部長 K.S 氏、課長 A.N 氏、K.A 氏
株式会社オカムラ
  • オフィス環境事業本部 事業戦略統括部 プロモーション部
    デジタルプロモーショングループ
    部長 K.S 氏
    課長 A.N 氏
    K.A 氏

課題

ウェブ施策を強化する中で「PV数とユーザー数の定点観測だけ」から脱却する必要があった。現場の「こだわり」が強いからこそ、客観的なデータと分かりやすいツールが必要だった

オカムラでは早くから自社サイトの運用・改善に取り組んでおり、2013年頃に従来のウェブ解析ツールのサポート終了を機に、User Insightの導入に踏み切った。User Insightを選んだ理由はヒートマップが活用できることであり、当時は他に同じような機能を持つツールが存在していなかった。User Insightはヒートマップの先駆けなのである。

当時のオカムラにおけるウェブサイトの管理体制はわずか2〜3名だった。「ウェブ担当者として多くの業務を抱える中で、詳細な分析にまで手を広げる余裕はなく、月次のPV数やユーザー数を定点観測するに留まっていました」とN氏は振り返る。

この状況を一変させたのが、新型コロナウイルスの蔓延だった。それまでオカムラの事業活動は対面営業が主体であり、ウェブは補完的な役割に過ぎなかった。しかし、コロナ禍によってウェブ上で情報収集をしやすくする重要度が一気に高まったことで、社内の意識がウェブでの情報発信強化に向かい、User Insightの活用を一気に推進し始めた。

ウェブへの注力度が高まるにつれ、新たな課題も浮き彫りになった。それは、コンテンツ制作側の「想い」と「客観的な事実」のギャップである。オカムラには、製品やサービスに対して強い愛情を持つ担当者が多い。そのため、ウェブページを制作する際は「この情報も、あの情報も掲載すべきだ」という熱量に溢れた議論が展開されることが少なくなかった。しかし、その熱意が必ずしもユーザーの利便性に直結するとは限らない。

「製品やサービスの見せ方をどうすべきかという議論になると、想いが強い人との会話では、ページのデザインをどうすべきかという方向に進むことが多いです。まずお客様に見てもらうにはどうあるべきか、関係する人が納得できる形で合意することには根拠のある提案が必要でした。」とS氏は語る。

しかし、無料で利用できるツールは、専門知識がない担当者にとって学習コストが高く、社内の共通言語として機能しづらい側面もあった。組織全体でウェブ改善を加速させるためには、誰が見ても一目で状況が分かる「客観的なデータ」と、操作性に優れた「使いやすいツール」が不可欠となっていたのである。その両方を満たしていたのがUser Insightだった。

活用方法

ヒートマップを共通言語にすることで、サイトの課題やユーザーのニーズを可視化。手軽に配信できるポップアップは社内の主体性を引き出し、PDCAを回しやすくしてくれる

オカムラが導入当初から活用しているUser Insightの機能がヒートマップだ。誰でも直感的に理解できるビジュアルデータは、担当者同士の想いのせめぎ合いを解消する解決策となった。また、オカムラは外部のパートナーともウェブ施策の改善を進めており、サイト改善や意思決定を行う際にもヒートマップを見ながら議論を展開しているようだ。

実際に、オカムラは「お客様に見てほしい情報」をサイトに掲載しているが、「お客様が見たい情報」とのギャップが生じているケースがあった。そこで、ヘッダーナビゲーションに下層へのリンクを追加し、ニーズが強いコンテンツを視覚的に把握できるようにしている。

※ユーザーがクリックしている箇所を把握し、コンテンツごとのニーズを可視化できる

また、オカムラではFAQ記事を拡充しており、その改善にもヒートマップを活用している。「読んでほしいところまでユーザーが辿り着いてないことが、ヒートマップで判明しました。そこでアンカーリンクを設置したところ、必要な情報にしっかり辿り着いてもらえるようになりました」とA氏。

※ヒートマップを活用し、改善前後の分析を実施。社内で共有するレポートを作成している

こうした改善を提案する際、ヒートマップの存在は極めて大きかった。「明確なデータがないと仮説での議論から抜け出すことができません。私たちはやりとりする相手が社内にも社外にもいるので、それぞれと合意形成をして打ち手を考える必要があります。ヒートマップを活用すれば、建設的な議論が行えるので、スムーズに話を進めることができています」とA氏は語ってくれた。

ヒートマップと同様に活用しているのが、ポップアップの配信だ。以前から同様の施策に関心はあったが、ページごとに個別に設定する工数や、外部ツールの導入がネックとなっていた。しかし、UserInsightを利用していたことから、他のツールを導入せずに管理画面上の操作だけで手軽に配信できるようになった。

※テンプレートも豊富にあり、ユーザーに合わせた配信条件の設定も可能

ポップアップの活用にあたっては「ユーザーの閲覧体験を損なわない」という方針を徹底している。画面全体を覆うような表示は避け、画面右下に固定で表示し、本当に情報を欲しているユーザーだけが自分の意志で選択できるような配慮を行っているのだ。具体的には、事例のコンテンツを見ている人には事例集のダウンロード、コラムを読んでいる人にはソリューション資料といったような配信を実施している。

※ページを見ているユーザーのニーズに合わせたポップアップを配信

ポップアップ配信の手軽さは、現場メンバーの主体性も引き出した。S氏は「メンバーが操作方法をすぐに覚え、自ら『ここにポップアップを出したらいいのではないか』と相談してくれるようになりました。ハードルが低い分、トライアンドエラーでPDCAを回す感覚で使えるのが良さです」と明かす。その他にも、バナーのテキストを変えたものを配信するなど、ABテストを気軽に行えるのもUser Insightの特徴だ。

※複数のバナーを用意しABテストでの検証も可能

さらに、SEO対策においてもUser Insightを活用しているようだ。具体的には、既存コンテンツと競合を比較して、キーワードの抜け漏れがないかをチェックする際に活用している。

例えば「フリーアドレス」といったキーワードにおいて、検索上位にある競合サイトの構成を比較し、見出しタグを調整する。手作業では膨大な時間がかかる競合分析を効率化し、内部施策に役立てているという。N氏は「直すべきところの可視化がしやすいですね。課題は数多くあるため、どこから手をつけるべきかの参考になります。一つのツールでSEO施策まで完結するのは非常に嬉しいポイントです」と評価する。

※上位サイトとの差分を可視化することで、SEO施策に役立てられる

成果

ヒートマップの活用でPV数が139%に増加し、ポップアップの活用では資料ダウンロード数が約4倍に増加。今後さらに User Insightを活用することで、AIを“使う側”としての立場を強めていく

User Insightの活用による成果は、数字として如実に表れた。商環境事業のソリューションサイトを立ち上げた際、アクセス数が伸び悩んでいたため、ヒートマップによる分析を実施した。以前はヘッダーからの導線のみだったが、トップページ上にソリューションコンテンツを一覧表示して導線を強化した結果、3か月間のPV数が139%に改善した。

また、ポップアップ施策でも効果を得ている。もともとユーザー流入の多かった製品詳細ページから特定製品の資料ダウンロードを促すポップアップを設置したところ、入力フォームへの流入数は約7倍以上に増加し、資料ダウンロード完了数も約4倍になったという。

オカムラが感じている価値には、こうした定量的な成果の他に「組織の変容」という側面にもある。ヒートマップという共通言語があることで、担当者はその熱量を込めつつ、客観的な事実も取り入れることができ、建設的な対話が可能になった。「会話をいかにスムーズに進めるかという点において、ページを見ている人がなにを見ているか、言葉で表すよりも分かりやすく伝わる手段になっています。客観的なデータを見て話し合えるのは、お互いにとってもプラスです」とS氏は語る。

今後の施策については、特定のテーマに興味があるユーザーに対し、関連するコンテンツを最適なタイミングで届けるなど、よりパーソナライズされたアプローチを強化していきたいと考えている。

最新の取り組みでは、生成AI機能の活用も始まっている。AIによる記事案の作成を通じ、コンテンツマーケティングの効率化の可能性を探っている。「AIが出す案は、自分の中にない視点に気づくきっかけになります。独自性を出すべき部分は人間が担当し、アイデア出しのネタとしてAIを活用することで、考える時間を短縮しつつ質の高いコンテンツを目指していきたいです」とN氏は語った。

生成AIが大きく進化する今、油断するとマーケティング業務の多くが生成AIに代替されかねないという危機感も持っているというN氏。今後も積極的に User Insight を活用し、生成AIに「使われる側」ではなく「使う側」としての立場を強めていきたいと考えている。

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