表示速度改善で直帰率5%向上。半日かかっていた教育もセミナー受講のみで完結、AI分析で誰もがデータを使える組織へ

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パッケージツアーの「トラピックス」や個人旅行の「e-very」など、5つのブランドでお客様目線に立った旅行商品を提供する『株式会社阪急交通社』。同社は、国内・海外旅行をはじめ、訪日外国人旅行、個人旅行、法人団体旅行まで幅広く手掛けている。新聞や情報誌、ウェブサイトなどのメディアを活用し、お客様のニーズに応える豊富なラインナップの商品を提供している。1948年に創業した同社では、近年は定期的なサイトリニューアルを重ねながら、ウェブ集客にも力を注いできた。

ウェブサイトを運営する中、阪急交通社はフロント部分の約7割に及ぶ大規模なサイトリニューアルを実施した。しかし、当時は一度に数ページしかヒートマップを見られない状況で、データ取得に時間がかかっていた。そこで、あらゆるページをすぐに分析できる環境を構築するためにUser Insightを導入。ヒートマップによるユーザー視点の改善、SEO分析による表示速度の改善、AI分析を用いた課題発見の効率化などを通じて、同社は直帰率の改善や分析業務の分散といった成果を生み出している。ここでは、阪急交通社がUser Insightをどのように活用し、組織のデータ活用を変えてきたのかなどについて、DX戦略事業本部 ウェブ戦略部 ウェブ戦略一課の齋藤可菜氏と片岡有里弥氏にお話を伺っていく。

株式会社阪急交通社 DX戦略事業本部 ウェブ戦略部 ウェブ戦略一課 齋藤 可菜氏、片岡 有里弥氏
株式会社阪急交通社
  • DX戦略事業本部 ウェブ戦略部 ウェブ戦略一課
    係長 齋藤 可菜氏
    片岡 有里弥氏

課題

ヒートマップを見られるページ数の制限とデータ取得に要する時間に課題を感じていた。SEO分析などもワンクリックで実行できるスピード感がUser Insightの魅力

阪急交通社では、大きく3つのチームに分かれてウェブの管理を行っている。1つは齋藤氏と片岡氏が所属しているウェブサイトの運用・管理を担い、サイト全体を取りまとめるチームだ。他の2つは、ウェブ広告を担うチームと、商品掲載やメルマガ配信など営業部門と密に連携するチームとなっている。

User Insightの導入以前、同社のサイト改修はテーマを絞った特集記事が中心で、分析するページが限られていた。ところが、大規模リニューアルを実施した際には、改修範囲がフロント部分の約7割に及んだ。「会社として定期的にリニューアルする方針があるのですが、見直す範囲が多岐にわたった時期がありました。そのため、数ページだけではなく、大量のページをすぐに分析できる環境が必要でした」と齋藤氏は振り返る。

株式会社阪急交通社 DX戦略事業本部 ウェブ戦略部 ウェブ戦略一課 片岡 有里弥氏

当時は分析できるページ数に上限があり、見るページを入れ替えるたびに管理者へ設定変更を依頼する必要があった。「分析するページを変更すると数値を取る期間が発生するので、すぐにデータを確認できるわけではありませんでした」と齋藤氏。数ページの改善ではなくサイト全体のリニューアルとなり、分析のスピード感が課題として浮かび上がっていた。

そこで、すでにSocial Insightを活用していたことから、User Insightの導入を検討した。活用できる機能を見ていく中で齋藤氏は「期間を設定してボタン一つ押せば、どのページでもすぐにヒートマップが表示されます。求めていたデータがこんなに簡単に見られるのは、とても魅力的でした」と導入の決め手を教えてくれた。

また、片岡氏は「導入のきっかけはヒートマップでしたが、User InsightではSEO分析もボタンを一つ押すだけで実行できます。これまでは代理店にSEO管理を完全にお願いしていましたが、User Insightで簡単な調べものを自分たちで完結できたり、改善点をすぐに把握できたりすることも魅力的でした」と語る。専門的な知識がなくても、User Insightを使えば手軽に現状の分析結果や課題、改善策を得られる。それに加えて、ヒートマップにとどまらない機能が阪急交通社のUser Insight導入を後押しした。

活用方法

ヒートマップで「お客様が本当に求める情報」を可視化し、ユーザー起点でページ内コンテンツを再設計。SEO分析では表示速度を数値で把握し、AI分析では改善策の立案を効率化している

導入後、同社が活用している機能の一つがヒートマップだ。大規模リニューアルでは、総合トップや国内旅行・ツアートップなどのページで終了エリア・熟読エリア・クリックエリアを確認した。「リニューアル前は、商品を目立たせたいという意図もあり、バナーや商品を数多く設置していました。しかし、ヒートマップを見るとそれほどクリックされていないことに気づきました」と齋藤氏は語る。

そこで同社は、クリックされていない特集や商品を絞り込み、検索フォームを目立つ位置に配置した。これによりメンテナンスの手間がなくなり、社内の作業負荷が軽減したという。現在では、社内から商品掲載の要望が上がっても「ユーザーに見られていないことが数値で示せるようになりました。担当部署も納得感を持って受け入れてくれるので、お客様が求めている情報を厳選して掲載できています」と齋藤氏は感じている。

ヒートマップで終了エリア、熟読エリア、クリックエリアを可視化した画面
※ヒートマップで終了エリア、熟読エリア、クリックエリアを可視化し、ユーザーの行動を把握できる

検索フォームの改善にもヒートマップを活用した。簡単検索・絞り込み検索についてヒートマップでクリック数を数値化し、何がクリックされているのかをデータとして抽出した。齋藤氏は「国内ツアーの『1室利用人数』は使われないだろうと考えて簡単検索に載せていませんでしたが、設定する人が意外と多いことが分かりました。そこで、今のサイトでは目立つように配置しています」と教えてくれた。

国内ツアー検索フォーム。よく使われている項目のみをトップに表示している
※データ分析の結果、よく使われている項目のみトップに表示できている

SEO分析でも、User Insightは欠かせないものとなっている。中でも片岡氏が活用しているのが、表示速度の可視化だ。「以前はサイトを開いてなんとなく遅いと感じた時に、管理者に伝えていました。その後『改善しました』と言われても、表示速度を感覚で測っていたので本当に速くなったのか判断できませんでした。今は具体的な数値で示され、どこを改善すれば速くなるかも分かります」と片岡氏。実際に紅葉特集のページで表示速度を確認したところ、フォントのデザインが表示を遅くする原因であることが判明した。他にも画像のサイズや設定が表示速度に影響しているなどとUser Insightが示してくれるため、原因を探す手間が省けている。

User Insightで表示速度やコアウェブバイタルなどの指標を数値で確認できる画面
※User Insightでは、表示速度やコアウェブバイタルなどの指標を数値で確認できる

阪急交通社では、新たに追加されたAI分析機能も活用し始めている。齋藤氏が評価するのは、分析の「道筋」を示してくれる点だ。「例えば、『沖縄ページの改善点を教えて』と入力すると、User Insightがデータを分析して傾向や改善提案を表示してくれます。それをもとに一つひとつさらに深掘りできるので、分析に慣れていない人にも使ってもらいたい機能です」と齋藤氏。同社のウェブ戦略一課には、ここ数年で新しい社員が加わっている。「新しく配属する人は全員がウェブに詳しいわけではありません。そのため、複数のツールを使い分けて調べるような指標が一つのツールにまとめられているのはとても助かります」と、齋藤氏はUser Insightが知識の少ない担当者でも改善点を見つけられる手助けになると感じている。

AI分析がサイト全体のデータを分析し、傾向と改善アクションを提案する画面

成果

表示速度の改善で直帰率が5%改善し、PV上位ページの抽出は3分から10秒に短縮。分析が一部の担当者に集中しない体制が整い、今後はAIO/LLMO対策やSNSとの連携にも活用していく

User Insightの活用は、具体的な数値の改善として現れている。紅葉特集で取り組んだ表示速度の改善では、前年よりも直帰率が5%改善した。「読み込み速度が速くなればユーザーのストレスが減り、そのまま離脱する可能性が下がるのではないかと考えています」と、片岡氏は速度改善が離脱の抑制につながったと分析する。

株式会社阪急交通社 DX戦略事業本部 ウェブ戦略部 ウェブ戦略一課 係長 齋藤 可菜氏

分析にかかる時間も大きく短縮された。片岡氏が若手社員にあるデータの確認を依頼したところ3分ほど要したことがあった。しかし、User InsightのAI分析ボタンを押したところ、10秒ほどで調べることができたという。

実際にUser Insightを導入したことで、教育にかかる負担も軽くなっている。齋藤氏は「ユーザーローカルさんが用意してくれる50分ほどのセミナーを受け、分からないことはチャットボットに聞いてもらう流れにしています。それだけで基本的な操作はマスターできるほどセミナーが充実していますし、User Insightの操作も簡単です」と教えてくれた。さらに「同じ内容を口頭で教えるとなると、資料を用意しなければならず、準備に半日はかかると思います。セミナーの受講であれば各自が資料をダウンロードでき、後から見返すこともできます」と齋藤氏は教育にかかる手間の軽減を感じている。

その効果もあり、「このデータが見たい」という声が増えるにつれ、広告チームや全国各拠点のウェブ担当者にも閲覧権限を広げた。「以前は分析が必要になると私たちに依頼が来ていましたが、現場でも調べられるようになりました。いろいろな人がデータを見られるのは、大事なことです」と齋藤氏。かつては知識のある担当者にデータ分析が集中するという状況が生じていた。それが現在では、各自が分析できるようになっている。

今後について、齋藤氏はPDCAの定着を見据えている。「User Insightを用いて改善したページはかなり増えてきました。一方で、改修後にどのくらい改善されたかを再分析できていないページもまだあります。自分たちが改善したページが、その後どう変化したのかまで追える環境も整えていきたいです」と齋藤氏は語る。

また、AIO/LLMO対策にも力を入れていく予定だ。片岡氏は「AIO/LLMO最適化レポートで分析した際、キャンペーン特集のページで構造化タグの設定ができていなかったことが示されました。今後はAI検索に表示されることの重要度が増していくと考えているので、SEOの施策と並行して進めていきたいです」と語る。

AIO/LLMO最適化レポートで生成AIの検索に対しての改善案と優先対応事項が示された画面
※生成AIの検索に対しての改善案が示され、優先対応事項もおすすめしてくれる

AIO/LLMO最適化レポートの活用は、サイトの枠を超えてPR施策やSNS運用にも広がろうとしている。片岡氏は「AI検索で取り上げてもらうには、複数の媒体から言及されることも重要です。そのためにPR施策にも力を入れていきたいです。また、Social Insightとダッシュボードを連携させられるようになったことで、SNSとウェブの連動も強められるのではないかと感じています。あまり検索ボリュームがなかった花火大会が急に増えていると分かれば、それに関する投稿をしたり、サイト表示を変えたりしてもいいかもしれません。検索結果のトレンドを活かして訴求すれば、商品を求めているお客様に届けられると考えています」と語ってくれた。

株式会社阪急交通社 DX戦略事業本部 ウェブ戦略部 ウェブ戦略一課 齋藤 可菜氏、片岡 有里弥氏

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