誰でも分析できる環境をUser Insightで構築。分析から効果的なウェブ接客を活用して来店促進を実現
1950年に創業し、75年にわたってバレエ・ダンス用品などを展開する『チャコット株式会社』。初めて練習着として着用するお子さまから一流のアーティストまで、世代を超えて愛され続ける同社では、芸術文化のみならず、"美しくありたい"と願う人に向けた社会貢献も志している。その中でチャコットは、コーポレートサイトとECサイト、代官山本店のサイトという、主に3つのサイトを運営。目的とターゲット層が異なる複数のWebサイトを活用し、顧客との接点を生み出している。
しかし、アクセス解析の専門人材不足やGA4の複雑化という壁に直面し、「データは見るものの、改善アクションに繋げられない」という課題を抱えていた。そこで、経験を問わずデータ分析を行える環境にするために導入したのがUser Insightだ。ここでは、User Insightから得られるデータでサイトを改善したマーケティング・PR部の鈴木耕一氏と鈴木美波子氏に、具体的な活用方法や得られた成果などについて伺っていく。
- チャコット株式会社
-
- マーケティング・PR部
部長 鈴木耕一 氏
マーケティング・DX推進課 鈴木 美波子 氏
- マーケティング・PR部
課題
データ活用の専門知識を持った人材が不足し、数値の確認で終わっていた。誰でも分析できる環境を作りたかった
マーケティング・PR部に所属する鈴木耕一氏と鈴木美波子氏は、主にコーポレートサイトと代官山サイトを担当している。User Insight導入以前、チャコットではGoogle アナリティクスを活用し、基本的なアクセス数や流入経路の確認を定期的に行っていた。しかし、Webサイトの分析を専門とする人材がいたわけではなく、データを具体的な改善にまで繋げられていなかったのが実情だ。鈴木美波子氏は「基本的なアクセス数は見ていましたが、そこからの改善にまで手が回っていなかったのが課題でした」と振り返る。
そのような状況の中、GA4への移行もサイト分析への課題をさらに浮き彫りにした。「GA4に変わってから、さらに専門的な知識が必要になり、独学では限界があると感じていました。分析の専門家がいるわけではないため、手探りで進めるしかありませんでした」と鈴木美波子氏。
さらに、組織的なデータ活用を妨げるもう一つの要因が、分析ツールの「属人化」だった。鈴木耕一氏は、当時の状況について「会社のポリシー上、GA4ではアクセス権を登録できる人間が限られていました。当時、データを見られたのは3、4人ほどだったと思います。そのため、コンテンツを更新してもPV数などをすぐに確認できません。担当者が忙しくてその場で確認できないと後回しになり、やがて見なくなってしまいます。これではPDCAが回りません」と教えてくれた。
データを見る人が限られれば活用も限定的になってしまう。更新したページの反応を担当者自身がタイムリーに確認できない環境を変えることは急務だった。
「まずは、誰でも簡単にデータを見られる状況を作るのが大事だと考えました。『人に聞かなくても、自分で確認できる』という環境を作るため、できるだけユーザーフレンドリーなツールが必要でした」と鈴木耕一氏が語るように、チャコットではツール選定において、専門知識や経験に関わらず誰でも使えることを重視した。
そこでチャコットでは、使いやすさを感じたUser Insightを導入。鈴木美波子氏は「User Insightの第一印象は『使いやすい、見やすい、簡単』でした。直感的に操作しても使えるため、これなら社内でデータ活用が進むと感じました。また、GA4は困った時の問い合わせ先がありませんが、User Insightは担当者さんがレスポンス早く丁寧に答えてくださいます。そのおかげで安心して使うことができています」と語る。
活用方法
ヒートマップを確認すれば、ユーザーの動きが一目瞭然。ミスクリックや途中離脱を把握して、ユーザーニーズを満たすコンテンツに改善
User Insightの導入後、最も活用されている機能の一つが「ヒートマップ」だ。これまでPV数という「数値」でしか判断できなかったユーザーの行動が可視化されたことで、誰でもサイト上の課題を見つけられるようになった。
最初の発見は、特集ページにおけるユーザーのミスクリックだった。「もともと商品ページは画像と商品名の両方にリンクを貼っていたのですが、自分たちで作成する特集ページでは見た目を重視してしまい、商品名のテキストだけにリンクを設定していました。しかし、ヒートマップを見たところ、リンクが設定されていない『商品画像』の方がクリックされていたことがわかり、すぐに改善しました」と鈴木美波子氏は教えてくれた。
ヒートマップによって可視化された事実は改善提案の説得力を増し、全社的なレギュレーション改定の後押しとなった。現在では、すべての特集ページで画像にもリンクが設置されているという。
また、ヒートマップはイベント予約ページでの離脱改善にも効果を生み出した。あるイベントの予約ページでユーザーの離脱箇所を確認したところ、約半数が予約ボタンにたどり着く前に離脱していることが判明した。
「イベントページでは必要な情報が多いため、どうしてもページが長くなりがちです。ヒートマップで半分以上が離脱しているという状況がわかり、予約ボタンをページ上部にも設置したり、リンクをテキストから目立つボタンに変更したりするなどの改善をしました」と鈴木美波子氏。
これまでは数字をもとに仮説を立てていたため、ユーザーの行動に確信が持てなかったという。しかし、ヒートマップを用いることで原因が可視化され、すぐに適切な改善を施せるようになった。
さらに、User Insightでヒートマップ以外の項目もページコンテンツの定期的な分析に活用している。鈴木美波子氏は確認する項目について「あまり目に見えないメタ情報をよく確認しています。タイトルやディスクリプション、本文に検索されやすいキーワードが入っているか、リンク切れが起きていないかなどを即座に確認できるのは嬉しいですね」と語る。
コンテンツの更新頻度が高いチャコットでは、リンク切れを確認するまで手が回らず、その都度気づいた人が対応していた。「メンテナンスが行き届いていませんでしたが、効率よくリンク切れを確認できる環境になりました」と鈴木美波子氏。
User Insightでは、生成AIを活用してコンテンツの作成やリライトも効率化できる。鈴木美波子氏はメルマガのタイトル作成に生成AIを活用しているという。
「最近はメルマガの作成機能も追加され、内容を参照したいURLやファイルを指定すれば、その内容を踏襲したメルマガを作ってくれるようになりました。今後はAI機能も活用してメルマガやサイトに掲載するコンテンツの作成を効率化していきたいですね」と鈴木美波子氏は語る。
成果
適切なキーワードを盛り込んだことで、表示回数が168%、クリック数は119%に改善。ポップアップも活用して、遷移先ページの48%がポップアップ経由となった
User Insightを活用したことで、チャコットではサイトの表示回数やクリック数が向上した。
その代表例が、バレエのヘアスタイルを指す「シニヨン」という専門用語だ。「シニヨンの解説ページは以前から存在しましたが、なかなか流入が伸びませんでした。そこで検索キーワードを分析したところ、バレエをすでに始めている方は『シニヨン』と検索しますが、初心者の方は『バレエ お団子』などと検索していることがわかりました」と鈴木美波子氏は教えてくれた。そこで、ページに「お団子」といったキーワードを入れる工夫をしたところ、「シニヨン」が含まれるキーワードの表示回数が168%、クリック数が119%に改善した。
「シニヨン」以外にも、サイトで主に使用していた「衣裳」という単語を、よく検索される「衣装」に変えるなどの施策も行った。これは、長年バレエに携わってきたチャコットにとって気づくことすら難しい盲点だった。もともと「チャコット」という指名検索以外からの流入に課題を感じていたところ、User Insightで検索キーワードを分析したことによって、ユーザーの使う言葉とズレが生じているとわかったのだ。
他にも、ポップアップを活用したことで、来店促進効果も現れている。チャコットが運営するコーポレートサイトと代官山サイトは、目的やユーザー層が異なるため、情報が分断されがちだった。「代官山本店でイベントを開催する際、その情報をコーポレートサイトの訪問者にも知ってもらう必要がありました。User Insightのポップアップ機能を使い、サイトを横断して誘導することで、効果的な情報配信が可能になりました」と鈴木美波子氏は教えてくれた。
ポップアップ機能を活用したことで、あるイベントでは、イベントページ全体のPVのうち、48%がポップアップ経由となる高い成果を記録した。
さらに、鈴木美波子氏は「閲覧数やクリック数をリアルタイムで確認できるので『イメージだけのバナー』と『イベント名など文言を入れたバナー』でABテストも実施しています。ポップアップのデザインを変更するのも簡単に設定できるので、素早くPDCAを回せますね」と、ポップアップを積極的に活用している。
User Insightの導入はサイト改善だけでなく、社内のデータに対する意識も大きく変革させた。「今まではコンテンツをアップしたら終わりで『やったか、やっていないか』の2択でした。しかし、今は『アップしたコンテンツが、100点満点中いくつまでできているか』という『程度』をどう上げていくかという話ができるようになりました」と鈴木耕一氏は変化を感じている。
今後、チャコットではUser Insightのさらなる活用を目指している。鈴木美波子氏が目指すのは、よりユーザーのニーズに寄り添うコンテンツの創造だ。「現在は新作情報など、チャコットが発信したい情報が優先になりがちです。しかし、お客様が本当に知りたいのは、例えば『トウシューズ 痛い』といった悩みの解決策かもしれません。そうしたユーザー目線のコンテンツを充実させていくことが次の目標です。User Insightはエージェントモードも搭載されていて、ペルソナや参照元などを細かく設定しながらコンテンツ作成ができます。こういったアップデートされていく機能も活用しながら、コンテンツを充実させていきたいですね」と鈴木美波子氏。
鈴木耕一氏は、まだチャコットの顧客ではない「未来の顧客」へのアプローチを見据えている。「今のお客様は、バレエを『始める』と決めた方々です。しかし、今後はバレエを『始める前』のお客様、例えば『子供の習い事、何にしようか』と探している方々に、どう情報を届けていくかが重要になります。バレエや新体操だけでなく、フィットネスや化粧品も含め、私たちの領域をさらに広げていくためのコンテンツ戦略に、データを活用していきたいと考えています」と鈴木耕一氏は見据えている。
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