ヒートマップ×ポップアップで回遊を生み出し、サイト内の直帰率を5〜10%改善。AI分析で改善点を即座に把握でき、施策を打つまでのハードルが大きく下がった
Share「個人投資家向け事業」と「機関投資家向け事業」の双方において最高水準の金融ソリューションを提供し、国内有数の運用資産残高を誇る『アセットマネジメントOne株式会社』。同社では低コストインデックスファンドシリーズ「たわらノーロード」をはじめとする数多くの投資信託が運用されている。近年は新NISAの広がりを背景に、商品情報だけでなく、投資や資産形成にまつわる知識の発信にも力を注いできた。その情報発信の中心となるのが、オウンドメディアの「わらしべ瓦版」や、NISAなど資産形成の入り口商品となる「たわらノーロード」のサイトなどだ。
しかし、使用していたツールの仕様変更をきっかけに、従来の指標でレポートを作成することが難しくなり、分析から次の施策に結びつけられないという課題が生じた。この状況を変えるために導入したのがUser Insightだ。ヒートマップによるユーザー行動の可視化、自社で完結できるポップアップの配信、AI分析の活用などを通じて、同社は直帰率の改善や分析業務の効率化といった成果を生み出している。ここでは、アセットマネジメントOneがUser Insightをどのように活用し、サイト改善とデータ活用を進めてきたのかについて、リテール&ウェルス・ソリューション本部 ソリューション部 岩崎氏、佐藤氏、中村氏にお話を伺っていく。
- アセットマネジメントOne株式会社
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- リテール&ウェルス・ソリューション本部 ソリューション部
中村 道成 氏
佐藤 啓 氏
岩崎 奈緒子 氏
- リテール&ウェルス・ソリューション本部 ソリューション部
課題
ツールの仕様変更で使い慣れた指標が追いづらくなり、レポートを出すのが難しくなっていた。ヒートマップの手軽さ、継続しやすい価格などが導入の決め手
アセットマネジメントOneのマーケティングチームは、ウェブだけでなく広告やイベント、ノベルティ制作、動画の企画・制作、SNS運用など幅広い施策を担っている。その中でウェブ領域については、サイト内のデータを分析しながら改善を繰り返しているという。
User Insightを導入する以前、同社は無料のウェブサイトアクセス解析ツールでPVやユニークユーザーといった指標を確認していた。ところがツールの仕様が変わり、運用に支障が出てしまった。「仕様変更によって使い方が難しくなり、PVなどのデータが取りづらくなってしまいました」と岩崎氏は振り返る。
さらに、分析から改善につながらないという課題もあった。「アクセス解析によってPVが伸びたファンドなどは把握できていたのですが、その状況をレポートにまとめるだけで終わってしまっていました」と岩崎氏は語る。
そこで、サイト改善を進めるために新たな解析ツールを探して出会ったのがUser Insightだ。最初に魅力を感じたのは、ヒートマップを手軽に見られる点だったという。岩崎氏はかつてアクセス解析でヒートマップを使った経験があり、「ユーザーの行動が可視化できるヒートマップを使いたいと以前から思っていました」と語る。
導入に至った理由の一つに、従来と同じ指標を用いながら、より詳細なレポートを作成できることがある。「ツールの仕様変更で指標の定義も変わってしまいましたが、User Insightなら継続して同じ指標で報告できました。また、新NISA(少額投資非課税制度)の開始に伴って投資に関するウェブでの情報発信を強化するタイミングだったこともあり、詳細に分析できる機能は必須でした」と岩崎氏は語る。
金融商品を扱う企業ならではのセキュリティ審査についても無事通すことができという。価格面も導入の後押しとなった。「他のツールには、月に何百万円とかかるものもありました。一方で、User Insightは継続して利用しやすい金額でした」と岩崎氏。
活用方法
ユーザーの動きが可視化されるヒートマップと直感的に実装・カスタマイズできるポップアップを組み合わせて活用。AI分析ではページの改善点を即座に把握して実行に移す
User Insightの導入後に同社がまず取り組んだのが「たわらノーロード」の特設サイトの分析だ。「まずはUser Insightを使いこなすために、多くのユーザーが見るページを分析・改善することから始めました」と岩崎氏。全体を分析した結果、各ページの使われ方などが理解でき、一部の直帰率が高いページについて、どこで離脱してしまっているかがヒートマップで見えてきた。
ユーザー行動の理解をさらに深めるのが、マウスの動きを動画で再生する機能だ。中村氏は「ページごとのヒートマップを簡単に見られることに加え、ユーザーの動きを動画で確認できます。どのようにマウスを動かしているか、目線の移動はどうなっているかといった点もわかりやすく表示されます。これはUser Insightを導入したからこそ可視化できるようになったものです」と評価する。
実際に「たわら物語」のように初めて訪れるユーザーが多いページでは、最後までスクロールすると行き止まりになっていた。そこで同社はまずテキストリンクを設置し、続いてポップアップを活用した。「バナーを入れることも考えましたが、User Insightではポップアップを手軽に実装できます。そのため、まずはポップアップを設置し、バナーまで作るかどうかは数字を見ながら検討できます」と佐藤氏は語る。
オウンドメディアの「わらしべ瓦版」では、独自のルールと回遊施策の両立にUser Insightを活用している。認知拡大を目的とする同メディアには、記事内にファンド情報を直接掲載しないというルールがある。「ファンドの情報が入ると宣伝色が強くなってしまいますし、コンプライアンス審査もそれに合わせたものになります。スピーディに情報発信できることを重視し、ファンド情報を入れないルールにしました」と佐藤氏はその背景を説明する。
しかし、継続的な運用の甲斐あってPVは集まっており、ファンド情報を見てもらうきっかけとなってほしいという気持ちもあった。そこで同社は、ファンド情報ページへはポップアップで案内する形をとった。その際は離脱箇所を見極め、閲覧の妨げにならないタイミングで表示するようにした。すると、実際にファンド情報を見にいくユーザーの動きが確認できたため、同社はポップアップの活用を広げた。ページの内容に応じ、サイト内を回遊させるために他の記事へ誘導したり、より詳しいファンド情報を伝えるためにLPへ案内したりしたのだ。
クリエイティブの最適化には、ABテストを活用している。「バナーの画像を3種類用意してテストを行い、反応が良いものを探っています。クリック率が0.5%から3〜4%まで変わることもあります。8倍も遷移数が変わることがあったので、複数パターンを試すのは重要です」と佐藤氏。
中村氏は「複数の画像を設定する際の操作は簡単で、初めて見た人でも直感的に扱えます。スライダーバナーもテンプレートが用意されているので、コーディングの知識がなくても実装できます」と教えてくれた。続けて、中村氏は「User Insightのポップアップに用意されているテンプレートは、コーディングが見える状態です。知識がある人であれば、さらにカスタマイズのアイデアも出しやすいと思います。実際に私は表示までの秒数や、スマートフォンとパソコンの切り替えなどを少し調整しました」と語る。
AI分析機能も改善点を把握するために活用している。リリースした記事をAI分析にかけたところ、最後まで読まれているにもかかわらず直帰率が高いという指摘があり、記事の後半に関連記事へのリンクを設置する改善を施した。SEOの観点でも、OGPタグの未設定といった課題が示されたという。「もしUser Insightがなかったら、改善点を探ることから始めないといけません。User Insightは最初からサイトの課題と改善策を提示してくれるのでとても助かっています」と中村氏は語る。
成果
ヒートマップを活用してリンクやポップアップなどの導線整備を重ねた結果、記事ページやLPの直帰率が約5〜10%改善した。今後はAI分析やLLM引用ダッシュボードを用いて、社内のAI活用を促進していく
ポップアップの設置やヒートマップを活用して導線の改善を繰り返した結果、「たわらノーロード」特設サイトではディレクトリ全体で直帰率が約5%改善し、特に注力した「たわら物語」のページでは約10%もの改善が見られた。わらしべ瓦版でも記事内容に合わせた関連リンクの設置やポップアップの工夫により、LPの直帰率が約7%改善している。
数値の改善に加えて、組織の中で起きた変化も大きな成果だ。岩崎氏は「ポップアップを自社で実装できるようになったことは大きな意味を持ちます。これまでポップアップを実装しようとすると、外部に依頼しなくてはいけませんでした。今ではその手間がありません」と手応えを語る。社内では、わらしべ瓦版が「集客できるサイト」として認識されるようにもなった。「今後は社内で『こういうコンテンツが伸びてきた』といった情報提供を共有して、よりウェブサイトの活用をうながすためにUser Insightを使っていきたいです」と岩崎氏。
今後、注力していきたい領域はAIの活用だ。中村氏は「時代の流れとしてAIが注目されている中、User InsightのおかげでAI活用のきっかけが生まれました」と語る。まずはUser InsightのAI分析などを用いて現状を把握し、その上でPDCAサイクルを回していく考えだ。
岩崎氏は、コンテンツの質という観点からAI時代のサイト作りを描いている。「質のいいコンテンツを提供することでアクセスが増えるという傾向もあります。User Insightがあれば、ユーザーのニーズに合っているかどうかも分析し、把握できると感じています。わらしべ瓦版もたわらノーロードのサイトも価値ある情報を提供することで、より信頼できるサイトを目指します」と語る。
加えて同社が関心を寄せるのが、生成AIの回答に自社情報が正しく引用されているかを調べる「LLM引用ダッシュボード」だ。「今後はAIに自社を引用してもらうことの重要性が増す可能性があります。SEO対策と並行して、LLMO対策も進めていきたいです」と佐藤氏。「User InsightのおかげでLLMOという言葉を意識するようになりました。引き続き、様々な機能を活用しながら知見を蓄えていきたいです」と岩崎氏は語った。
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